2006/02/26

Swan Oyster Depot

魚介が苦手なワタシ。食べられないものはいっぱいあるけど、その中でも牡蠣は私が「飲み込めないリスト」のトップ3に入るほどの苦手な食べ物。
大学の時に1個800円もする生牡蠣を友達に「美味いから」と無理やり食べさせられ、どこを噛もうと努力しても口の中で頼りなく形を変えるその物体がどうしても飲み込めず、泣く泣くお手洗いに捨てに行った苦い思い出がある。それ以来「絶対に捨てることになるから私に牡蠣を食わせるな」と言い続けて数年。あれ以来牡蠣というものを口にしたことさえない。
そんな私がSwan Oyster Depot。行っていいのだろうか、そんなところに。
 ・・・とはいっても牡蠣を食べに行ったわけではなく。「Barbara's Fish Trap」以外で美味しいクラムチャウダーのお店がないものかと探していて、たどりついたのがこのお店。そして私が大好きなブログ「加州生活日誌」さんでもこのお店が紹介されていて、しかもこのお店で「かに味噌」が食べられるそうな。


もちろん私は「かに味噌」もダメだし、日本でも口にしたことがないので比較ができないので、かに味噌大好きな人にどんな食べさせてみようと連れて行く(笑)。お店はSFのケーブルカーカリフォルニア線の終点のすぐ近く。これまたダンジネスクラブのローストで有名なクラスタシアンのすぐ近くでもある。小さなお店の前には小さな行列。ウィンドウをのぞくと魚介類がウヨウヨと山になっている(←魚介嫌いな表現でゴメンなさい)。カウンターだけのテーブルには人がびっしりと詰まっていてみなさんやはり牡蠣。しかも大量に食べてるし・・・大丈夫なんだろうか。

まずは白ワインとクラムチャウダーを注文。オイスタークラッカーは机の上にどっさり置いてあるけど、私はパンにチャウダーを浸して食べるのが好きなので、パンも頼む。目の前でざーくざーくと切り目を入れてくれるパンは、食感がしっかりしてて、パリパリの皮が美味しいものだった。(白い部分はまあ、普通)。
そしてクラムチャウダー。いろんなサイトでこのクラムチャウダーのことが言及されていたけど、ここのクラムチャウダーは小麦粉は一切使ってないような、サラサラのもの。しかもミルク部分が分離しちゃったりしてるけど、とにかく美味しいの!というのが一般的な感想みたい(笑)。そしてまさにそんな感じのものがやってきた。見た目からは「うわぁ、美味しそう!」という言葉は出てこないような、そんな外観。
食感もほんとにサラサラ。Barbara's Fish Trapのチャウダーがシチューなら、こっちはほんとスープ。そのサラサラの中に貝のお出汁がしーっかり混ざっているような、そんな感じ。貝のお味噌汁が好きな人はきっと気に入ると思う。私は貝もそんなに得意じゃないので、やっぱりBarbaraさんが一番だなあ、という気持ちを新たにしていたんだけど、魚介好きは「これはこれで美味い」と言っていたので、間違いないかと。
そして次はカニのカクテルと、カニ味噌。トップの写真はアイスクリームじゃなくてカニのカクテルなのです^^(って誰もアイスだと思わないって?)。実は私カニもあんまり好きじゃないんだけど、それは魚介だからという理由ではなく、「苦労する割りに食べるところが少ない」から。だから誰かがカニ身だけにしてくれるなら結構好きだったりもする。そんな私にはこのカクテルスタイルはベストだという話も。今まで甘いケチャップみたいなカクテルソースがあんまり好きじゃなかたんだけど、ここのカクテルソースはなんか美味しい気がする。そしてこれまたお気に入りのブログbayareaさんが勧めているように、ホースラディッシュを少しだけ混ぜて食べてみたら、ウマー!!ふくふくのカニ身をフォークで1つ、また1つとつついてあっという間に完食。これはオススメ。
そしてカニ味噌。前にクラスタシアンでCrab Butterが通じなかった私だけど、ここでは「Crab Butterが食べられるって聞いたんですけど、ありますか?」って聞いたら普通に「あるよー。1人分?2人分?」と普通に通じたよ。あー良かった。でも私はCrabの"a"の発音が得意じゃない。この"a"はいわゆるaeなんだけど、hand、とかappleなら問題なく言えるのに、c-rabになると言えてないらしい(自分ではよく分からない)。aの発音になっちゃうらしい。Rを間違わないようにしなくちゃいけないし、とかいろいろ気にしすぎなのかもしれないけど。
ま、それは置いといて、このカニ味噌、加州生活日誌さんのはなんかいかにもカニ味噌!な外観なのに、私たちの前に置かれたのは、なんかスープのような(笑)味噌はドコー?なんかちがーう。そして味も「別にフツウ。感動はない」とは魚介好きの談。
しかしここはやはり牡蠣を食べるお店なのかもね。隣のグループなんて牡蠣だけでお数ダース食べて、ワインとかも飲んでてそれでお会計も40ドルちょっととかだったのでかなり安いのかも(食べてないので不明)。
お会計といえば、ここのお店、お会計が自己申告制だったのにはビックリ(笑)。

2006/02/21

Joy Luck Palace / マンゴープリン、飲茶

私が飲茶を食べに行くお店は大体決まっていて、(1) Joy Luck Palace (2) Mayflower (3) Dynasty、という感じ。最近はその場で焼いてくれるじゅーじゅー大根餅が気に入っていてミルピタスのMayflowerへ行くことが多かったんだけど、「美味しいマンゴープリンが食べたいね」という時は(1)のJoyLuckへ行くことになる。というのも普通の飲茶で出てくるマンゴープリンはだいたいハートの形をした色も濃くて、かなり固めの食感のもの。多分そういう形式のほうが「マンゴープリン」という観点では正しいのかもしれないけど、私は断然JoyLuckのミルク感たっぷり、食感ふわふわふるふるのマンゴープリンが好き。どの店も時間帯によって待つことになるけどJoyLuckはいつ行っても並ばずに入れたことがない。メニューも多いし、客が多くて回転もいいのか冷めているものを出されたことがないので、行ってがっかりすることはないお店。




私が飲茶のお店で食べるものは大体決まっていて、あんまり初めて見たものにチャレンジもしないので、いつも同じ感じ。必ず食べるのは、エビ餃子(ハーガウ)、焼売(シュウマイ)、エビ腸粉(チャオファン)、フカヒレ餃子のスープ(ユイチートンガウ)、カニ爪のフライなど。それにチャイニーズブロッコリーや、大根餅というのがお決まりのメニュー。昔は鶏の足にも果敢に挑戦してみたけど、やっぱり体が拒絶して食べられなかった(笑)。
飲茶はそれぞれのお店でそれぞれ美味しいものがあるけど(たとえば先にも書いたけど大根餅なら絶対Mayflowerだし、フカヒレ餃子のスープはDynastyのほうがホロホロしていて美味しい)、マンゴープリンはやっぱり今日もJoyLuckなのでした。
お茶はなにはともあれジャスミンを選んでしまうことが多いんだけど、脂っこいメニューを食べるときはプーアル茶(発音はポーレイだったと思う)のほうが脂分解の力が強くていいんだって。でもプーアル茶ってちょっとクセがあるから苦手な人もいるよね(私は平気)。
あ、あとJoyLuckのイイトコロは、デフォルトでマスタードを出してくれるところ。他のお店は「マスタード下さい」って言わないと出てこない。私は蒸し物系はからし醤油しか考えられない人なので、マスタードがでてこないと非常に悲しい(頼んでもなかなか持ってきてくれないと、その間アツアツの飲茶に手をつけられない・・・)。ただマスタードもチリソースもすごい少ししかくれないので、また頼まないといけないことは同じなんだけど・・・・。マスタードって需要少ないのかなあ。

2006/02/16

ふわふわティラミス(レシピ)

ティラミスが日本でブームになったのっていつのことだっただろうか。あれからパンナコッタにナタデココ、カヌレなんかもブームになったけど、いまだに人の認知度が高いままでいるのはティラミスぐらいのものじゃなかろうか(って調査したワケじゃないけど)。
ティラミスブームのおかげで、スーパーの店頭にはそれまで耳にしたことさえなかった「マスカルポーネチーズ」などというものが陳列されるようになり、イタリアンのお店に行けばほとんど100%の確率で「ティラミス」なるデザートがメニューに載っている(それがココアがまぶされただけのチーズケーキであることもなきにしもあらずだけど)。そんなティラミスだけど材料さえ手に入れば作るのはかなり簡単だったりする(日本ではマスカルポーネよりもレディフィンガーを手に入れるのが大変だった記憶がある)。ラムカンで1人分ずつ作るのもいいけどやはりベーキング皿にどかんと作って大きなスプーンですくって食べるのが、私の「ティラミス」のイメージ。このレシピは7x5インチ(18x13cm)のベーキング皿にたっぷり1個、さらにラムカン1~2個分ぐらいが出来る分量。

<材料>
マスカルポーネチーズ 8oz(226g)
卵 2個 (卵白と卵黄に分ける)
砂糖 40g(大匙3より少ない程度)
レディフィンガー 16~20本(器の大きさによる)
濃い目に入れたコーヒー(エスプレッソならなお良)
リキュール 適宜 (私は50ccは入れてる)
無糖ココア 適宜
マスカルポーネは売っていたのが8ozのものだったので226gだけど、200g程度あれば多くても少なくてもテキトウでいいと思う。プロじゃないんだから分量を合わせるために余分に買って余らせたりするのはもったいないし。お砂糖はリキュールの甘さに応じて40~50gで調整するのが良いかと。リキュールは今回は冷蔵庫にあったベイリーズ使用。他にはマルサラやアマレット、ラムを使ってもいいと思う(何が正しいかは分からない)。
コーヒーは4cup分ぐらいの粉を挽いて1cupより少ないお湯で入れたもの。これに好みの濃度でリキュールを入れて冷ましておく。
(1) まずはマスカルポーネチーズと卵黄2個分をあわせて、ゴムべらで卵とすり合わせるようにしてムラのないように練る。最初はちょっと力がいるけど、すぐになじんで綺麗な色のクリームになってくる。泡たて器を使うよりゴムべらで練ったほうがやりやすいと思う。
(2) 次は卵白でメレンゲ。最初はお砂糖を入れないで大体泡立て、少しカサが増えてきたらお砂糖を徐々に加えてさらに泡立てる。ピンっとしっかりツノがたつまで。手で泡立てたら大変だけどハンドミキサーなら一瞬なので楽チン。
(3) (1)で練ったクリームに、(2)で泡立てた卵白を2~3回に分けて加える。メレンゲのふわふわ感がそのままティラミスのふわふわ感につながるので、泡をつぶさないようにボウルの底からざっくりざっくりと混ぜていく。泡はつぶしちゃダメだけどムラのないように。
(4) チーズクリームができたら、ベーキング皿にリキュール入りコーヒーにたっぷり浸したレディフィンガーを敷き詰めていく。なるべく隙間のないほうが出来上がったときにキレイ。
(5) 敷き詰めたレディフィンガーの上に(3)のチーズクリームを乗せて行く。レディフィンガーを敷き詰める作業と、クリームをのばす作業を2回以上繰り返すので、作りたい層の数によってクリームの量を加減。
(6) さらにリキュール入りコーヒーを浸したレディーフィンガーを敷き詰めていく。これもなるべく隙間のでないように。
(7) そしてさらにチーズクリーム。私の器だとこれでいっぱいいっぱいだけど器が深ければ(5)(6)の作業を好きなだけ繰り返せばいいと思う。チーズクリームの層だけが厚すぎても食感がもったりふわふわしすぎてしまうので、適当な厚さで。
(8) チーズクリームを器の上限ぎりぎりまで詰めたら、このままラップして冷蔵庫で半日~1晩寝かせる。長く寝かせたほどレディフィンガー生地とクリーム生地がなじんで美味しくなる気がする。時間がなくても半日は必ず寝かせたいところ。
(9) しっかり寝かせて味がなじんだ後、食べる直前に茶漉しなどでココアをたっぷり振り掛ける。ココアは水分を含んでしまうと色と風味が悪くなるので、必ず食べる直前に。ラムカンなら盛り付けるお皿のままココアを振っても美味しそうに見えるのがティラミスの良いところ。
(10) もちろんキレイに切って盛り付けるのも素敵だけど、ティラミスはこんな風にベーキング皿からほしいだけ直接すくいとって、豪快にお皿に盛り付けて食べるのがそれっぽい感じ。お皿に盛った形がいびつな方が美味しそうに見えるときも(笑)。あとは好みでベリーやミントなどを飾り付ければ完璧!

��追記)問い合わせがあったのですが、私は材料はすべてTrader Joe'sで買いました。マスカルポーネも$2.5ぐらい、レディフィンガーも$2ぐらいなので日本で作るよりめちゃくちゃ安くできます。

2006/02/14

Porta Bella / 地中海料理

カーメルのメインストリートであるOcean Avenue沿いにある地中海料理のレストラン。地中海料理というカテゴリが私は良く分からないんだけど、要するに南欧(イタリア・スペイン・南フランスなど)のお料理のいいところどりをした料理のことだそう。その日に取れた地元の素材を使った料理を楽しめることでも知られているらしく、通りに面したパティオ席に座っている人を常に見かける。カーメルらしく小さいけどお洒落な造りになっていて大人のレストランの雰囲気なんだけど、実は子供も、犬もOK(dog-and-kid-friendly)のお店。ただし犬は表のパティオ席か、店を入って奥にあるパティオ席のみ許可とのこと。 ちなみにこのレストランのすぐ隣にあるMelrot!というフレンチビストロは姉妹店で、店が内部でつながっている。(2階にも席があるのかと思って聞いたら「違うレストランです」と言われた)

落ち着いた店内には、時間帯にかかわらずのんびりワインと食事を楽しむ人がいっぱい。カーメルは特にお洒落なお年寄りの夫婦がのんびりランチとかしていて、「優雅な生活だな~」とつい遠い目をしてしまう(笑)。この店はバーもあるので、お酒の種類もとても充実しているみたい。「名もないグラスワインさえ美味い」らしい。店頭にこのお店の名前のラベルが張ったワインがおいてあったけど、そのワインなのかな?



オーダーしたパスタ2種。
左:本日のスペシャル:Butternut squash ravioli w/ scallops, prawn, sundried tomatos in a pesto cream sauce (カボチャのラビオリをホタテ、エビ、ドライトマト入りのペストソースで) / 右:Fusilli Giardiniera w/ freshest seasonal vegetables, portobello mushrooms, marsala (旬のとれたて野菜ときのこのフジッリ、マルサラ酒風味)
パスタはアツアツのお皿に盛られて、パスタ自体も火傷しちゃうんじゃないかって言うぐらいアツアツできたてのものだった。特にラビオリは小籠包状態で、ラビオリひとつまるごと口の中に入れてしまったらおそらく大変なことになっていたと思われる。ドライトマトの風味と魚介の香り(私は普段はコレが苦手なのだけど、気にならないぐらい合ってた)がしっかりとついた濃い味のパスタソースが、甘いカボチャのラビオリにものすごくマッチしてて、つるりとしたラビオリに絡めて食べると、それはそれは至福のとき。
フジッリはトマトをベースにしたさらりとしたスープ(ミネストローネのような)になっていて、賽の目に切られた野菜がこれでもかというぐらいたっぷり。これはこれで美味しかったけど、私は断然ドライトマトクリームソース派。(こっちは男性にはちょっと甘すぎ濃すぎのようで)。
最初はちょっとポーションが少なめだなって思ったんだけど、そんなことはなくてこの一皿でかなりお腹がいっぱいになる。でもデザートも食べる(笑)。デザートはティラミス。ティラミス自体はどこが特別といったものはないんだけど、下にしかれているカスタード風味のソースと、ラズベリーの酸味を主体にしたベリーのソースが、ほろ苦いココアにすごく合ってて、普通のティラミスを数倍美味しいものに仕上げてる感じ。私の場合盛り付けが綺麗なお店はそれだけで評価が高くなるのだけど、このお店は盛り付けだけじゃなくて、お料理のレベルも結構高いと思う。
しかし隣のテーブルの人たちが食べてたいかにもアメリカンな雰囲気たっぷりのステーキサンドイッチ(フォカッチャに焼きすぎて固そうなサーロインがのべーんとはさまれていたもの)はあんまり美味しそうじゃなかったけど・・・。メニューを厳選すればかなり満足のレストランじゃないかと。あー、美味しかった!久しぶりに計画なしに入ったレストランが大当たりだったのでした。

Porta Bella(音が出ます)
Ocean Avenuebetween Lincoln & Monte Verde
Carmel-by-the-Sea,CA 93921